【たくさんの『死』に触れる物語】少女/湊かなえ(早川書房)
祝日を挟んだので、月曜日の気分です。それなのに金曜日で嬉しい!
少女/湊かなえ(早川書房)
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〇あらすじ
小学校のときに剣道教室で出会った桜井由紀と草野敦子は、同じ高校の2年生。しかし、高校1年の終わりに起きたある事件がキッカケで友情にはヒビが入っていた。そんな気まずい状態だった二人のもとに2年生の春、転校生・紫織がやってくる。夏休みに入る直前、紫織に転校してきた理由を尋ねた由紀と敦子は『親友が自殺し、助けられなかったこと』だと知り、その『人の死』について語る紫織をうらやましく感じる。『なんとかして人が死ぬところを見たい…』そう思った由紀は大病院の小児科に朗読のボランティアに出かけ、敦子は老人ホームのボランティアに出掛けて行くのだった。
〇感想 ※ネタバレ注意
少し前の本になりますが、映画化ということでこのタイミングにご紹介。ちなみに映画とは全然違う内容になってます。
少女が死についてこんなことを考えるの?と思う人もいると思うんですが、実際中高生って一番死についてある意味で鈍感な年齢だと思うんですよね。死以外でも、自分自身が世界の中心で、周囲にいる人たちの気持ちについて考えるのが苦手というか…自分に起きたことには敏感、周りの出来事や人がどう感じるかには鈍感。だから、高校2年生っていう設定が私はすごいハマって感じました。
登場人物が『死』についてどう考えを変えていくのかという部分も見ものですが、何よりも話を読み進めていくにつれてわかる人間関係図が面白いです。ミステリー要素が面白い。なので、映画のあらすじ見てる感じだと、そのミステリー要素が少なくなっちゃってる感じでちょっぴり残念。でも、そこを抜いてどういう結末に持っていくのかも興味あります。映画も今度見てみよっと。そうそう、本の中に出てくる『自分が不器用だというの大半は、気が利かないだけ』という言葉に妙に納得させられた私です。これ、映画に出てくるかな?