【こんな中学生いたら怖い】映画『ソロモンの偽証』レビュー
本も読みましたが、遅ればせながら映画も見たのでレビュー。
ソロモンの偽証 前篇・事件
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○あらすじ
中原涼子(旧姓:藤野)は、母校江東区立城東第三中学校に赴任し、新任校長に伝説となった学校裁判について語り出す。学校裁判は、藤野涼子が中学2年生のときに起きた同級生・柏木の転落死について争った裁判のことで、藤野自身が「屋上から突き落とした」と告発された男子学生・大出の弁護人となった裁判のことだった。
当初、警察によりその死は飛び降り自殺と断定されたが、匿名の告発状により混乱をきたした。告発状の差出人は水面下で明らかになっていたが、その事実は公表せずに生徒のカウンセリングが続いていた。そんな中、藤野の担任・森内に送られた告発状が破いて捨てられており、事件のもみ消しを図ったとしてマスコミに糾弾されてしまう。やがて告発状は偽証である可能性が高いとされながらも、第二・第三の事故が起こり、生徒たちはもやもやした気持ちを抱いたまま3年生へと進級する。
ソロモンの偽証 後篇・裁判
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○あらすじ
藤野の卒業制作として学校裁判を行い、柏木の死の真相を明かす願いが叶った。自らは被告人・大出を追求する検事として、柏木の小学校時代の友人・神原を弁護人に迎え、陪審員制度による学校裁判が始まる。やがて、事件の真相を知るであろう人物の存在に気付いた藤野は、判決の日、証人としてある人物を召喚する。
○感想 ※ネタバレ注意
本の方がずしっときたかな、という印象。あれだけの超大作の書籍を、映画2本にまとめきれないよね、そうだよね。柏木のキャラクターを知るのに重要な人物として本ではお兄ちゃんが出てくるのだけど、そこが映画ではまるっとカットされてます。だからこそ柏木自身の自殺理由が埋もれちゃうし、その自殺に対する神原のとらえ方も映画だとなんか軽い感じに…。そこが良いとこなのに!
ただ、本でも映画でも思ったのは、こんな中学生いたら怖いってこと。柏木も怖いし、学校裁判やろうなんて言い出す藤野も怖い。そして、かなーりなり切ってやり切っちゃう彼ら全員怖い。中学生らしい、というか人間くさいのが告発状を送った2人と、犯人に仕立て上げられた大出。なんだか、この3人の立ち振る舞いにホッとさせられる物語です。
本の方がガゼン好きですが、総じて見ごたえのある映画です。