【心が洗われる距離と時間の青春映画】映画『君の名は。』レビュー

ようやく観てまいりました。新海誠作品は、『秒速5センチメートル』のイメージがあって、それほど好きって思ってなかったのだけど…これは…心に響く映画でした。

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観る予定はなかったけど、観てみて話題になった理由がよくわかります。

君の名は。

○あらすじ

岐阜県の田舎町に暮らす女子高生・宮水三葉。宮水神社の巫女として妹の四葉と祖母と3人暮らし中で、父は家を出て町長をしている…そんな自分の置かれた境遇・狭い町の環境に嫌気がさしていた。「来世は、東京のイケメン高校生にしてくださーい!」そんな風に思っていたある日、目覚めると同い年の東京の男子高校生になっていた。リアルな夢だなと思いながら東京の生活を楽しむ三葉だったが、翌日学校に行くと前日の自分の行動の記憶がないことに気付く。記憶にないノートへの「お前は誰だ?」の落書きや、クラスメイトから聞かされる自分らしくない行動の数々。不思議に思いながら生活をしているうち、再び同じ夢を見る。何度か繰り返すうちに、東京の男子高校生は立花瀧という名前で、三葉が瀧になっている間、瀧が三葉になっていることがわかる。やがて、互いに会いたいと思い合って行動を起こすふたりだったが…。

 

○感想 ※ネタバレ注意

この映画を観た人は、「もし、自分が誰かと入れ替わったら何するだろう?どうするだろう?」っていうことを絶対に一度は考えるのではないでしょうか。まさか誰かと入れ替わってるなんて考えもしないだろうから、気づくまでにどれだけ時間がかかるのか…気づいたあとでどう対処するのか…最初はそんなことを考えて観ていました。

そのあと思っていたのは、田舎暮らしのこと。ちょうど映画観る前日に岐阜出身の子と話をしていて「高1のときに、この町出て東京行こうって思ったんだよね」っていうのを聞いてたから、三葉の町の窮屈さに対する想いがリンクしてやけにリアルに感じて。めちゃめちゃ都会っ子ではないけど中学時代からカフェ普通に使ってたから、大学時代に地方出身の子と話をしてて驚愕したことも何度もあるし。瀧が岐阜の女の子を自由に生きるのも、三葉が東京の男子高校生を楽しく生きる姿も、絶対に経験できないことができて良いなぁなんてまぶしく観ていた。

最後は、やっぱり恋愛部分かな。『秒速5センチメートル』でもやっとした部分が、『君の名は。』では素敵にしめくくられる。まして、「誰を探しているのか、何を探しているのかわからない」状態なのに、最後はふたりが出会えるシーンで終わる…。良かった良かったとしか言いようがない。仕事柄だけど、浮気やら不倫やら切ない話を聞くことが多いから、泣きたいくらい純粋な青春の恋愛に触れて心が洗われました。めっちゃ感動!!とかではないけど、なんというか…じわっとほっこり、かな。

神木隆之介くんの声にはきゅんとするし、白石萌音ちゃんの三葉もぴったりに感じたし、知らないで観ていたけど瀧の先輩でセクシーな奥寺ミキ役の長澤まさみちゃんも合ってたなぁ。映像・声・物語・音楽…、きっとすべてがフィットして出来上がった作品評価なんだろうなと思いました。

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