【自分の不運を人のせいにされて、もやもやする】映画『予告犯』レビュー

こんばんは!ちょっと、感想分量がかなーり多い、というか自論ばっかな記事ですが。

 

予告犯

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○あらすじ

インターネットに、新聞紙をかぶった男が犯罪予告をする動画があがった。最初は狂言と思われた動画だったが、やがて実際に事件が起こり、警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官が捜査にあたる事態に。通称”シンブンシ”と呼ばれる予告犯は、その後も次々と予告をし、実際の事件を引き起こしていった。

法で裁かれない者たちをターゲットにする”シンブンシ”に対し世論も不支持から支持派へと傾き…。

 

○感想 ※ネタバレあり

一言で言うと……………………………………もやもやする。って感じです。とか言っても分からないと思うので、しっかり感想。長いです。

多くの問題をテーマにしたサスペンス映画。もとが漫画らしいので、どこまで原作に近いのかは分からないから、とりあえず映画で見えてきた部分だけを取り上げます。

”シンブンシ”一味は、複数人。その中で、リーダーとなっているのが”ゲイツ”というあだ名の奥田宏明です。生田斗真さんが演じてます。 で、このシンブンシ一味にものすごい執着して捜査にあたる捜査官が戸田恵梨香さん演じる吉野絵里香という女性。

事件が進むにつれて、シンブンシ一味の身元が割れてくるんですね。で、ゲイツたちの不幸を吉野が知るわけです。吉野自身、給食費が払えないほどの貧乏暮らしをしていた過去があり、そこから抜け出すために、努力で現在の地位まで這い上がった人。だからこそ、『自分の不幸を社会のせいにするな』『なんで頑張らないんだ』と主張し、ゲイツたちに、より執着していくんです。 ちなみに、これに対してゲイツは『頑張りたくても頑張る場所がない人間もいるんだ』と返す。私のもやもやポイント、これが1点目。

吉野の言うセリフそのまんまなんだけど、自分の今ある環境を周囲のせいにするの、マジでやめてほしい。頑張る場所がないところに生きてるのは、自分の責任じゃん。っていうか、本当に頑張ったの? もう、手立てはなかったの?頑張ることに疲れて、人のせいにしたくなったんじゃないの?

これをさ、イケメン生田斗真さんが映画で叫んでみてくださいよ。そりゃみんなさ、思わず共感しちゃうでしょ?怖いよ、これ。共感しちゃダメなポイントだよ、これ。

貧しさの原因って、努力と知恵の欠如だと私は思っていて。だって、これだけ世の中が色んな方面に発展してるのに、正社員にこだわる理由は何?病気が原因で次の仕事が見つからなくて、肉体労働を選んだのはなんで?知恵の欠如で、「それしかない」っていう思い込みが生まれるわけでしょ。で、結果、自分は不幸だって思う。で、頑張る場所がない?なめんなよ、マジで。

ちょっと話それるけど、貧困家庭で大学進学を諦めた、とか新聞に記事出たりテレビで特集やってさ、みんな口をそろえて「救済制度がほしい」とか言うじゃん。違うよ、ほしいのは本人の努力だよ。返済なしで大学進学だって、頑張ればできるよ。知らないの? 調べるっていう知恵がないの?

で、そういうのに対して「制度をつくりましょう」みたいなこと言う人たちもいるよね。違うよ、お金の使い方を教える機会をつくってよ。どうやってお金を生かすか、それを分かってないと制度つくってお金渡しても、浪費・消費して生きてくだけになっちゃうんだから。それじゃ、長い目で見て、結局貧困ループからなんて抜け出せない。

やばいやばい、話を戻さないと。

シンブンシ一味が動き出すキッカケになったのは、ヒョロっていう福山康平さん演じる少年の死なんだけど。そのヒョロが、「俺バカだから」っていうセリフがすごいしみた。バカだから騙されたっていうことを語っているんだけど、そこに気付いているか気付いていないかって重要で。自分の無知って認めるのは怖いけど、認めないと始まらないじゃん。このときゲイツは、「違う、教育の機会がなかっただけだよ」って返すのね。これも、分かる。でも、じゃあなんでそのことに気付いてたのに、こうなっちゃうんだよっていうのはもやもやポイント2なんだけどね。

ダメだ、止まらないからまとめよう。

もうお分かりだと思いますが、私、映画の内容に集中できなかったんです。物語だと思えなかった。現実の色んな問題を提示させられすぎてる感じで。しかも、それがなんとなく「良い話だなぁ…」みたいな終わり方しちゃうのが嫌だった。シンブンシたちが、法で裁かれない人たちを制裁していくのは見てて気持ち良いよ。目には目を、歯には歯を精神だから。私。

でも、そうしなきゃいけなかった理由が稚拙。ヒョロが死んじゃったのは、しょうがないよ。だって、彼の選んだ環境のもとだもん。それが悲しいのは理解する。その死を侮辱されて怒る気持ちも分かる。でもさ、まぁあそこで人殺しちゃうのは、やっぱりちょっと稚拙。そして、ヒョロと父親を合わせるためにシンブンシやるってのも稚拙。いや、他に方法あったっしょっていう、例の知恵の欠如を感じるし。

でもでも、「損得なしに、人は誰かのために動くことがある」っていう行動のキッカケ論っていうのは、ちょー染みるわけで。だからこそ、『良い話』って最後にまとめられちゃうと、「こうするのは、良いことなんだ!」って、捉え方によっては、変な方向に走りだしちゃう人が増えそうな映画。そのへんが、全部もやもや。

別に社会的地位だったり、お金だったり、それこそ恋愛もそうだけど、全ての結果は自分がもとになってることを忘れたくないな、と。別に死ぬほど頑張らなくて良いと思うけど、環境のせいにしないでほしい。人を妬んだり、社会を恨んだりする時間があるなら、知恵をつける時間につかったら?

って、まとめてほしかったのかな。私。自分の生き方にも、改めて反映したいと思います。※言葉遣い悪くてごめんなさい。

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