【『欲』が人を変える】映画『海にかかる霧』レビュー
復讐三部作を完結しようかと思ったら、地元のTSUTAYAにありませんでした…。代わりに観たのは、これ。
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海にかかる霧
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〇あらすじ
不況に苦しむ韓国の某漁村。チョンジン号は、船長のカン・チョルジュ(キム・ユンソク)を始め、機関長のワノ(ムン・ソングン)、甲板長のホヨン(キム・サンホ)、船員チャンウク(イ・ヒジュン)、チャンウクの兄で船員ギョング(ユ・スンモク)、そしてワノの甥っ子である新人乗組員ドンシク(パク・ユチョン)の6人で漁業に出ていた。しかし、ボロくなったチョンジン号は機械の不具合で漁を逃したりと、漁業の継続に困難が。そこでカン船長がとった手段は、中国からの不法移民の密入国を手伝う闇ルートの仕事を引き受けることに。夜の沖合で密航船と合流し、密航者たちをチョンジン号に乗り換えさせて陸へ運ぶー…不安を抱えながらも、船を守りたい一心・船長を信じる気持ち・金への思い、6人はそれぞれ様々な思いを胸に密航の仕事に手を出すのだった。
〇感想 ※ネタバレあり
6人が6人とも、それぞれの『欲』によって変わっていく物語です。お金や女という物欲だったり、愛だったり使命感だったり、欲と一言で言っても本当に6者6様ですが、最終的にはすべてが報われない形で終わります。そのへんが韓国映画っぽい。
この映画、2001年に実際に起きたテチョンゴウ事件を元にしています。…というと、ちょっぴり内容ネタバレすると思うので、嫌な方は先を読まないよう。テチョンゴウ事件も映画と同じく、密航者を輸送した際に起きた事件。約半数の密航者が窒息死してしまい、その死体を海に遺棄しています。生き残った約半数の密航者が陸にたどり着いたのち、食料を求めて地元民を訪ねたことから事件が発覚…というのが実際の事件。映画では、事件がどこまで発覚したのかは描かれておらず、乗組員6人の思惑がどのようにして歪んでいき、悲劇のラストを迎えるのかまでがメインです。さて、映画の話。ワノ機関長がある行動をキッカケに気がふれたようになるのですが、まさにそのシーンで吐き気を催しました。もう韓国映画を観たときの定番の反応です。疲れた…。
私はラストシーンに希望を見出したのだけど、一般解釈はやっぱり「ドンシク、ドンマイ!」ってことらしい。そっか、韓国映画だもんね。旦那さんの感想は、「船長の船を守ろうとする姿勢がカッコ良い!」だそうです。だから韓国映画って男性に好まれるんだろうなぁ。
更に余談ですが、ドンシク約のパク・ユチュンは元・東方神起のメンバーなんだとか!ビックリです。当時はミッキー・ユチョンという名前で、今はJYJっていうグループで活動しているそうで…演技うまかったので普通に俳優さんかと。私の大好きな「どうして君を好きになってしまったんだろう?」歌ってたってこと?と思って久しぶりにPV観てみたのだけど、どれだかわからなかった…。韓国人の顔、判別できない…。それにしても良い曲!