【2016年上半期の芥川賞受賞作品】コンビニ人間/村田沙耶香(文藝春秋)
2018年1月14日
2020年6月14日
やっと読めた、芥川賞受賞作品。
コンビニ人間/村田沙耶香(文藝春秋)
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〇あらすじ
36歳の古倉恵子は、大学1年生のときに始めた『スマイルマート日色駅前店』でオープニングスタッフから18年働き続けている。大学卒業後も就職せずコンビニ店員として働き、就職もせず結婚もしない生き方を周囲から不思議がられる生活だ。
小さな頃から「どうしたら治るのだろう?」と言われ続けた自分が、完璧なマニュアルの存在するコンビニ内だけでは世界の正常な部品として成り立っていることを実感している恵子は、その生活が続くことを祈っていた。が、ある日新入りアルバイトの男性・白羽がやってきたことで少しずつ世界がくるってくる。周囲から「こちら側」と同じ人間だと思われるために、恵子は自分と白羽の共通の問題解決策を考えるが…。
〇感想 ※ネタバレ注意
一見「普通とは何か」っていうテーマに見えるけど、私自身は「社会に生きるとはどういうことか」ってことに受け取れました。いわゆる「普通」「普通じゃない」っていうのは、正直問題ない。ただ、ヒトってのは自分が「普通」だとか「普通じゃない」ことを理解して生きていかなきゃいけないんですよね。本の中の言葉を借りるのならば、白羽くんの言う「ムラ」=社会で生きている限り。
そういう意味での気味の悪さはものすごく感じました。犯罪者が自分の半生をつづった自叙伝を読んでいるような感じがするというか…白羽くんは「社会不適合者」って表現になるんだろうけど、古倉さんはそうではなく「サイコパス」かな、と。