【もう一度会いたいのは、残った者も逝った者も同じ】魂でもいいから、そばにいて─3・11後の霊体験を聞く─/奥野修司(新潮社)
2017年12月28日
2020年6月14日
仕事もたまってるし疲れて眠いし…だけど、どうしても本を読まずにはいられなくて。特に、この本は。
魂でもいいから、そばにいて─3・11後の霊体験を聞く─/奥野修司(新潮社)
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〇あらすじ
東日本大震災から6年、被災地では亡くなった家族を身近に感じられる不思議な出来事が多発しているという。配偶者、親、子ども、兄弟や伯父、孫、猫、祖母…失った者たちを感じられることが、生き残った人たちに希望を与えている。ノンフィクション。
〇感想
霊体験を信じないという作者が書いているので、変に本人の偏った思いなどが入ってなくて読みやすいです。感情的ではないからこそ、その話の語り手の想いがものすごく伝わってきて…正直、読み進めるのは辛い。でも、読んで知らなければいけないという思いもあって、最後まで読みました。
「魂でもいいから、そばにいて」という気持ち、大切な人・動物を亡くした人なら、みんな思うことなんじゃないかなと感じられます。自分が死んだときに一緒にこの世から旅立てば良いんだもん。それまでは成仏なんかしないで魂だけでもこの世にとどまってほしいというのは、残された者のエゴかもしれないけど、残された者がこれほど苦しんでるなら、亡くなった方も同じくらい、それ以上に苦しいはずだから。生き残った人たちが「会いたいな」と思うように、死者の方も会いたいなと思ってるよね、と思えました。
死者の気配を感じられることで「頑張らなきゃ」と思う、とみなさん口をそろえて本の中で言ってます。どうか、その願いが叶いますように。