恋愛ハウツー小説『恋愛勉強中。』３

★恋愛勉強中。★３

「ぐろぎぜんばい…！」
「お、おはよう。毎週驚きの登場だね、ちゆき。今週はどうしたの？」

この週末も、合コン。相変わらず良い男いなかったんだけど、男側もこっちを良いと思ってくれてなさそうで辛かったな…なーんてこととかを徒然と話したんですよ、実家の母に。久しぶりに電話して。

「ぞじだら、だまっでぎいてぐれで…ざいごに『まだ、いづでもでんわじでおいで』っで、いわれで…」
「うん。ちゆき、とりあえず、鼻かもうか」
「ばいっ！」
「で、なんて？」
「黙って聞いてくれて、最後に『また、いつでも電話しておいで』って言われて…電話切ったあとに･･･号泣じまじだー！！！！涙」
「おぉ、そっかそっか。でも、たくさん泣いてデトックスできたんじゃない？」
「はい。久しぶりに泣いて、ものすごいスッキリしました！」

もともと泣かないタイプだし、泣きたくても我慢してたもんね…あんな風に泣いたの、いつぶりだったんだろう？

「良いことじゃん！やっぱりさ、人ってたくさん泣いてたくさん笑うのが大事なんだと思うよ。そう考えると、ちゆき色んなことがなって、最近あんまり笑ってもいなかったんじゃない？」
「そうかもしれないです…辛いことあっても泣いてる暇ないって思うし、仕事と合コンばっかで、楽しいことってなんだかって感じの生活になってたし…」
「そういえば、ちゆきがライバル視してる神田さんって、表情豊かじゃない？感情表現が上手な子って、やっぱり可愛いなとか愛嬌があるなって思われる気がする」

確かに、神田さんはよく笑うし、感情が顔に出るイメージだ。

「でも、私もともとそんなに表情豊かじゃないですもん…」
「そりゃ、本当に心が動かなきゃ表情も何もないよね。だから、実際に経験してみたら良いんじゃない？」
「実際に経験する…？」
「そう。とはいえ、経験できることには限りがあるから。たとえば、映画や本を見て、多くの疑似体験をするってのはどう？体験したり経験しないと、人って感情を自分のものにできないと思うの。失恋したことがなければ、失恋した友達の心の傷みって分からないじゃない？そう考えたら、表現豊かな神田さんって映画とか本好きかもよ！」

なるほど…そういえば神田さん、月1で必ず映画館行くって言ってたような…オススメ聞いて、今週末は1人DVDパーティーだっ！

★たくさん笑い、たくさん泣く★