【第6回日経小説大賞受賞作品】女たちの審判/紺野仲右ヱ門(日本経済新聞出版社)

日経小説大賞を受賞した作品のご紹介。この本、夫婦の共作なんです。

女たちの審判/紺野仲右ヱ門(日本経済新聞出版社)

女たちの審判

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〇あらすじ

1989年、肥後拘置所の女性刑務官・母里直は、従妹・母里由紀子に頼まれて一審で死刑となった誘拐殺人事件の主犯の男・梶山智樹にハト行為と呼ばれる不正な方法で手紙を渡す。由紀子は梶山の子どもを出産していて、そのことを梶山に伝えて励ましたいと言い、ただ、世間に自分の子の父親が梶山だと知られたくはないため、正当な手段を使った伝え方は避けたがっていたからだった。

その後、梶山は控訴し、高等裁判所のある博多拘置所に移されていった。

7年後の博多拘置所。看守・土橋祐二は、職務違反にあたることは知りながらもこっそり梶山と仲良くなっていた。同僚からいじめを受けていた土橋にとって、梶山との時間は心が癒される時間だったのだ。梶山も土橋に心を開き、「娘がいる。一目で良いから会いたい」と語る。

 

〇感想

作者・紺野仲右ヱ門は、紺野信吾・真美子夫婦の共著筆名。お二人で書かれた作品です。すごいね、夫婦共作。

第1章から第4章まで、それぞれ違う視点から描かれているのでどうつながるのかと思いきや…一人の死刑囚が関わった人たちの人生をがらっと変えてしまう、そんな物語でした。最後まで読むと、「なぜ梶山は誘拐殺人なんて犯したんだろう?」という疑問が消えなくなります。

「刑務官」という職業を知らなかったのだけど、1冊読み終えてかなり詳しく知ることができました。いつも本を読むと思うけど、知らない職業ってまだまだ世の中にたくさんあるんだよね。

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