【ほっこりする恋愛小説】もういっかい彼女/松久淳(小学館)

恋愛小説と知らずに読みました。最近ハヤりの不倫ものドラマに嫌気がさしている方、この恋愛小説でほっこりしてみては?

もういっかい彼女/松久淳(小学館)

もういっかい彼女

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〇あらすじ

雑誌のライター・富谷啓太(通称・タニケー)は、自分が担当する「オールド・タレント」というインタビュー連載のため、佐々田順という官能小説家に取材に行く。ひそかに思いを寄せるカメラマンの野田奈々と2人で佐々田の自宅に向かった啓太は、佐々田のそつない取材の受け答えが「過去に戻りたいと思ったことはありますか?」の質問のあとに変化したことを感じる。佐々田は、「私は、何度か過去に戻ったことがある」と答えたのだった。

9作の小説を世に出したあと、20年も新作を書かずにいた官能小説家・佐々田順。彼の「過去に戻ったことがある」話は本当なのか?

 

〇感想

タイムリープのお話です。あんまり感想を述べるとネタバレしちゃうので、なるべく避けて…。

まず、主人公で佐々田の過去の話を聞くタニケーが良いキャラしてます。取材前に佐々田の本を読み、佐々田の小説に込めた思いなどをしっかり読み解く人物として書かれてます。だからこそ、佐々田が心を開きタニケーに自分の経験を語ろうと決意する…という流れがスムーズに入ってきてよかったです。小説をしっかり読み解くという意味で、彼の誠実で素直な性格にも惹かれます。タニケーが思いをよせる奈々ちゃんもまた素直で可愛らしい女の子です。

そんな2人が、ゆっくりと佐々田の過去の話に触れていくという物語。とにかく終始ほっこりです。タイムリープする=過去に後悔がある…ことが多いですが、最後に悲しい気持ちにはなりません。ものすごい感動でもないですが、とにかく「あぁ、なるほどね。良かった」と心が温かくなる恋愛小説でした。

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