【女探偵・葉村晶シリーズ2作目】依頼人は死んだ/若竹七海(文藝春秋)

どんどんさかのぼって読んでます。また新作出ないかなー。楽しみです。

依頼人は死んだ/若竹七海(文藝春秋)

依頼人は死んだ (文春文庫)

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〇あらすじ

冬の物語 濃紺の悪魔

所長は葉村晶に単刀直入に言った。

「所に戻ってきてもらいたい。実は大きい仕事があって、女手がいる。まずは手伝ってもらって、そのあとで正社員に戻るかどうか決めてくれても良い」

所長の言う大きな仕事は、大手企業のOLからカルチャースクールのフラワーアレンジメントの講座で勉強した知識を生かして花屋へ転身して成功、現在では花屋、雑貨屋、ケーキ屋等々十五もの店を経営している松島詩織の身辺警護だった。

 

春の物語 詩人の死

『桃源郷崩壊』という詩集を発表し、詩人としてこれから…と思われていた若い詩人・西村孝は自殺した。一緒に住むはずだった高級マンションとともにのこされた婚約者の相場みのりは、葉村晶とともに住むことを希望する。晶はみのりの家へと荷物をうつし、「西村が自殺した理由を探ってほしい」というみのりの願いをかなえるべく、関係者から話を聞くことになった。

 

夏の物語 たぶん、暑かったから

晶が小さかった頃隣に住んでいたという市藤清乃が突然家にやってきた。二週間前、市藤夫人の娘・恵子が職場で上司を刺し、重傷を負わせ、殺人未遂の容疑で逮捕された。恵子は「上司を刺したことはよく覚えてない。気が付いたら相手が床に倒れていて、自分がねじまわしを持って立っていた」という。そして、晶は夫人から「恵子は本当は優しい子だ、娘の本当の姿を調べてほしい」そう依頼されたのだった。

 

秋の物語 鉄格子の女

榊浩二という大学生から「書誌学の教授の出した、特定の人物をひとり選び書誌をつくる課題を代わりにやってほしいやってほしい」という依頼を受けた晶は、5年前に自殺した森川早順について調べることになる。

 

ふたたび冬の物語 アヴェ・マリア

去年のクリスマスにある教会で殺人事件があった。殺人のあった日にいったいどういうことが起きたのかを詳しく知りたい、できれば協会に長い間祭られていて、事件ののち姿を消した聖母マリア像の行方を調べてほしい、と依頼された水谷潔は、一年のブランクを経てこの依頼をしぶしぶ受けた。契約している長谷川探偵事務所の所長からなかば強引に押し付けられたからだった。

 

ふたたび春の物語 依頼人は死んだ

晶は、高校時代の友人・幸田カエデのパーティーに呼ばれていた。そこで「ちょっと相談があるんだけど」とカエデの友人・佐藤まどかから「三十歳定期健康診断の結果、卵巣ガンを発病されている疑いが濃厚となりました。大至急、専門医に相談されることをお勧めいたします」と書かれた紙を見せられる。新国市役所保健衛生課からの手紙ではあったが、晶は「これは悪戯だ」と断定する。まずは気にしない方が良いとアドバイスをして別れた三日後、まどかは自殺した。

 

ふたたび夏の物語 女探偵の夏休み

晶は相場みのりに誘われてオーシャンビュー・プチ・ホテルへとやってきた。旅費すべてをみのり持ちという贅沢な待遇を受けた晶は「大変な依頼人を紹介されるのではないか」とみのりを疑うが…。

 

ふたたび秋の物語 わたしの調査に手加減はない

みのりの母親から紹介を受けた中山慧美がやってきた。依頼は、こうだ。「10年前、友人の由良香織が死んだ。その香織が最近になって毎晩夢に出てくる。彼女が私に言いたいことを調べてほしい」

 

三度目の冬の物語 都合のいい地獄

水谷が自殺した。自殺の5日前、面会に行っただろうと言われた晶は「私ではない」と反論する。葉村晶の名前を語って水谷と面会していた男は誰なのか。その目的は。

 

 

〇感想

実は、「鉄格子の女」のオチがよくわからなかったのです。ぼーっと読んでたのかな…わかった方、どなたかレクチャーしてくださると嬉しいです。

それにしても、葉村晶シリーズは相変わらず切ない事件が多い。そして、切ない事件がたんたんと書かれてます。今回の短編集は、特に切ない事件が多かったかな。シリーズの新しい方から読んでいて昔に戻っているので、「あ、あとの本で書いてあったのって、このことだったのか」「あ、あれってこの人だったのか」とわかることが出てきて面白いです。私はスピンオフ形式に読んでますが、本当は順番に読むほうが良いんだろうなぁ。

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