【陣内さん、12年ぶりに出番ですよ】サブマリン/伊坂幸太郎(講談社)
おはようございます。今日は、旦那さんが実家に帰ってしまっているので寂しい週末です。仕事しよっと。
サブマリン
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○あらすじ
家裁調査官の武藤は、無免許運転で事故を起こしてしまった少年・棚岡佑真の担当となった。棚岡は面接の際に「はい」としか答えず武藤は手を焼いていたが、事故の現場で上司・陣内の友人・永瀬と出会う。そして、事故当日、目撃者がいたことが明らかになるのだった。また一方で、武藤の担当している別の保護観察中の少年との面接により、ある事件を未然に防ぐ結果に。その事件がキッカケで、過去陣内が関わってきた当時の少年たちと再会することになっていき…。
○感想 ※ネタバレ注意
正義が勝ち、悪が負ける…こんなわかりやすい構造でないからこそ、理不尽さに戸惑う世の中。その理不尽さを物語にし、最後まで答えを出さないのになぜか丸くおさまったように感じさせてくれる伊坂幸太郎さんの作風。相変わらず、さすがでした。
少年法という、どう解釈すべきか悩んでしまう法律を背景に仕事をする家裁調査官。私は、前作・チルドレンを読んでいないのですが、きっとこの作品のファンは多いんでしょう。サブマリンを先に読んだ私が、早速チルドレンを読みたい病にかかっているので。難しい立場にいながら、相手のことを何も考えていないようにふるまう上司・陣内。尊敬すべきかしないべきか悩みながらも、陣内の性格・行動を自分なりに理解する武藤。伊坂幸太郎さんの作品に出てくる人物って、主人公が一人とその他じゃないのが特徴的だなと思います。良いコンビを目にする機会が多い。
罪を犯した者の心理。故意だから悪いのか、偶然だから許されるのか。難しい問題だからこそ、色々な性格の登場人物に救われるのかな、と思いました。