【第27回山本周五郎賞受賞作品】満願/米澤穂信(新潮社)

本を読むのは初めてかもしれない。この方の作品に触れたのは、映画「インシテミル」が最初。あの映画怖かったな…そして、いま振り返ればキャスト豪華すぎ!

満願/米澤穂信(新潮社)

満願

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〇あらすじ

夜警

柳岡が「警官に向かない男だ」と感じていた部下・川藤浩志が殉職した。警察葬のあと川藤の遺族を訪れた柳岡は、兄・隆博から気になる話を聞かされる。

死人宿

2年前、突然消息をたった元恋人・佐和子の居場所がわかった。連れ戻そうと向かった先は、栃木の温泉宿。聞けば、そこは「死人宿」として噂の名湯だった。

柘榴

誰よりも容姿が良いことを自覚していたさおりは、大学のゼミで知り合った佐原成海に夢中になった。これまで同様、彼を自分のものにすることに成功し結婚。娘二人に恵まれるが、佐原は定職に就かずふらふらとさまよい歩き回る男だった。

万灯

いち会社員として大きな成果を上げてきた伊丹は、裁かれつつある。会社のために仕事のためにアラムと森下を殺したことは、誰にも露見しないはずだったのに。

関守

ライターの仕事で依頼された「交通系都市伝説」記事。ネタに困り先輩に相談すると、寝かせていた『死を呼ぶ峠』という事件があるという。「ホンモノな気がするから気をつけろ」と言われたが、先輩を笑い飛ばすためにも主人公は取材へと向かうのだった。

満願

藤井が弁護士として独立して初めて扱った殺人事件は、学生時代の下宿先・鵜川妙子の裁判だった。旦那の死を知り、控訴を拒み、満期釈放になった彼女がこれから挨拶にやってくる。

 

〇感想

2014年の第27回山本周五郎賞をとった「満願」、他5作のミステリー短編集です。短編集とは言っても、一つ一つの話はかなり濃厚で分量もあって6作入った本はハードカバー330ページでズッシリ。

「夜警」を最初に読んで、「お、これは…そういえばインシテミルもこういうオチだった!」と思い出し、死人宿からはオチまで考えながら読んだけどやっぱりわからず最後まで読んでやっと理解!を繰り返しました。月並みな言葉ですが、面白い…とりあえず次はインシテミルを本で読んでみようかな。

ちなみに「柘榴」と「関守」は、背中がぞくっとします。年齢に関係なく、生きている人間の怖さを知る…そんな作品です。

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