【不思議な家族のはなし】レモンケーキの独特なさびしさ/エイミー・ベンダー(KADOKAWA)
2017年6月16日
2020年6月14日
分厚かったのと、ちょっと私には読みにくい文体で時間がかかった本の紹介。
レモンケーキの独特なさびしさ/エイミー・ベンダー(KADOKAWA)
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〇あらすじ
9歳の誕生日、母が作ってくれたレモンケーキを食べたローズは「不在・飢え」という奇妙な感情の味を読み取ってしまう。以来、母がつくった食事を食べるとその感情の重さに具合が悪くなってしまうことが重なった。変わり者の兄ジョゼフとその唯一の友人ジョージに相談し、「料理をつくった人の感情がわかる」能力が身についたことがわかった。
人がつくった料理が食べられなくなったローズは心配され、周囲には相談できずにいる。そうして何年も過ごすうち、母の秘密や父の無関心さまでも読み取ってしまうようになる。そして、兄ジョゼフがどこか遠くへいなくなってしまうような兆候に気づくのだった。
〇感想
さて、率直な感想は「…?」です。何よりも読みにくくて読みにくくて…。会話が「ねぇ、ローズ?」みたいにかぎかっこでくくられてないんですね。で、行替えもされてなくて説明文の合間にイキナリ会話文がぶちこまれてる感じ。最初、ローズが料理から人の感情が読めるようになってしまうところまでは「どうなるんだろう?」って一気に読めたけど、そこから先がなかなか進まず時間がかかりました。途中でやめようかとも思ったけど、頑張って読んだ本です。そんな風に感じたのは久しぶり。
小説としても、複雑な感想です。とにかく奇妙な物語で…。家族の絆物語ともいえるし、少女の成長物語ともいえるけど、ただの奇妙な物語にも読める。危うい家族の話にもとれるし、外国の物語って独特だなと読み終えて思いました。読みにくくて集中できなかったから、私がうまく小説の核を読み取れなかっただけ感もありますが…。