【不倫中、彼と会えない休日に女が読みたい本】求愛/瀬戸内寂聴(集英社)
シルバーウィークもそろそろ終わり。彼に会えなくて切ない気分になっている不倫中の女性が手に取りたくなるような本かと。
求愛/瀬戸内寂聴(集英社)
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○あらすじ
「サンパ・ギータ」・・・旅帰りの男に買われた女の話
「許婚者」…43年間連れ添った妻が死んだ男の話
「露見」…浮気を繰り返した男が妻から別れを乞われる話
「夫を買った女」…夫を買った女と不倫関係になった男が、女の死を知らされる話
「サロンコンサート」…プロポーズしてきた男との結婚を悩んでいる女の話
「妻の告白」…女が、夫の三回忌に夫の愛人へ送った手紙の話
「夜の電話」…夫に先立たれた女が昔の友人に過去を打ち明ける話
「恋文の値段」…60過ぎの女に20年前に死んだ不倫相手の男からの手紙が届く話
「スーツ」…電車で出会った男女が不倫を始めてから終わらせるまでの話
「ふらここ」…小説に出てくる男を知っている女が小説家へ手紙を送った話
「移り香」…浮気を疑われた男が恋人に移り香の理由を説明する話
「心中未遂」…作家の夫が不倫の末に死に、その編集者と仲良くなった女の話
「赤い靴」…村で一番派手な女の話
「その朝」…男が母親に捨てられた日の話
「歯ブラシ」…片目しか見えなくなった男が過去の女を思い出す話
「髪の毛」…両親が離婚したあとも父親と会い続けた娘の話
「サーカス」…92歳の女が5歳の頃の夢を見る話
「求愛」…二カ月コロンビアに仕事で出かける男が女にあてた手紙の話
「誤解」…子供は大人が思っているよりもいろんなことを学んでいるという話
「どりーむ・きゃっちゃー」…91歳の女と不思議な縁を持つ男の話
「声」…81歳の男が父親からの教えを守って恋愛してきた話
「誘惑者」…姉を裏切った女が死にに行く話
「犬の散歩道」…犬の散歩中にある男に惹かれた女の話
「盆踊りの夜」…久しぶりの帰郷で昔の女を見た男の話
「浮舟」…半年連絡のなかった不倫相手とバーで再会した男の話
「さよならの秋」…男に別れのLINEを打つ女の話
「ふるさと」…8歳の少年が家出をして陸前高田へ行く話
「ほくろ」…病院で過去の女と再会した男の話
「島へ」…コンビニの従業員と客として出会った男女の話
「ベルリン純愛死」…夫婦仲をつないだキッカケになった男に女が手紙を書く話
○感想
実は、初めて瀬戸内寂聴さんの本を読みました。子どもと夫を捨てて不倫に走った女性…ということしか知らずに育ちましたが、なるほど多くの恋愛をしてきたんだろうというのが第一の感想です。短編集ですが、浮気・不倫の話が過半数!それぞれの話がかなり短いので、あらすじを書くとそれだけでネタバレしそうなものもありました。
いちばんドキッとするのは、「どりーむ・きゃっちゃー」。最後の数行で、急にホラーのようになります。この物語だけ、オチが際立っていたのですごい印象的でした。過去の男の裏切りに心を痛めている女性には、「サロンコンサート」がオススメ。
シルバーウィークもまもなく終わり。 休日は家族のもとで過ごしている不倫相手に会えない女性が、秋の夜長、手にとるのはこんな本かな…と思ってご紹介します。