【日本の中学生80万人の不登校から始まる物語】希望の国のエクソダス/村上龍(文藝春秋)
2015年11月12日
2017年10月10日
本の紹介。
希望の国のエクソダス/村上龍(文藝春秋) ※ネタバレあり
価格:723円 |
○あらすじ
パキスタンで日本人の少年が発見された。彼が「何か日本語を」の取材に「ナマムギ」と答えたことから、その名は「ナマムギ」として知れ渡っていく。やがて、「ナマムギ」に感化された日本の中学生80万人が不登校を始めた。学校に通い続けるのでは未来はないと考えた彼らは、学校を捨てる。そして、生きていくためにネットビジネスを始めた彼らのコミュニティは、やがてそのまま巨大な組織となっていく。日本は、日本の少年少女はどうなっていくのか。
○感想
一体どうなっちゃうんだろうと読み始めたのだけど…なんと、どうにもならなかった!つまり、学校を捨てた中学生は、戻ってこないわけです。学校を捨て、ネットビジネスで生きていき、そのまま大人と呼ばれる年齢になり、結婚して子供を産む。組織をつくるだけにとどまらず、自分たちの”クニ”を築き上げ、日本という国の中に自分たちの”クニ”をつくってしまうわけです。そして、その中だけで暮らしていける制度をつくってしまう。
興味深い物語だったけど、現実にならないと良いなぁと望む平和ボケの私でした。でも書いてて思ったけど、昔の日本ってこうだったのか。日本っていう国の中に、それぞれのクニがあって、争いがあったり、クニから一歩も外に出ずに暮らせる人たちもたくさんいて。なんだか不思議な感じです。