【直樹賞作家の2年ぶり長編作品】i(アイ)/西加奈子(ポプラ社)
2019年11月21日
2020年6月14日
西加奈子さんの新刊です。
i(アイ)/西加奈子(ポプラ社)
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〇あらすじ
ワイルド曽田アイは、シリアで生まれたが、ダニエルと綾子という裕福な夫婦の養子として選ばれ、ニューヨークに渡った。これまでの環境とは一変、恵まれた家庭環境で育っていくこととなる。このときから、ずっと「自分は選ばれ、選ばれなかった誰かがいる」という罪悪感が消えずにいた。小学校6年生のときに来日、日本の高校に入学した翌日、数学教師の「この世界にアイは存在しません」という言葉にアイは衝撃を受ける。
孤独と戦いながら、数学に出会い、親友に出会い、一生を共にするパートナーと出会い、「この世界にアイは存在しません」という言葉と戦うように生きていくアイ。彼女の生き方、考え方、人と生きていくことを考えさせられる本。
〇感想
西加奈子氏の本って、本当に賛否両論どかんと割れる本。あまりに世界観が独特だから、その世界観にじわーっと浸れる人と、「え、そんなことより、何この設定?」ってところにどんどん心もってかれちゃう人とに分かれるイメージです。作品によっても好き嫌いかなり分かれるかな、と。
私は実は普段の西加奈子氏の本はどちらかというと苦手な人。でも、アイはわりと引き込まれて読んだ方。なので、普段の好き嫌いにとらわれずに読んでほしいかなと思いました。ちょっと問題が多すぎて(現代問題がてんこもりという感じ)読んでるうちに共感しすぎて疲れてしまうということがあるかも。