【源氏物語って、こういうことだったの?】小袖日記/柴田よしき(文藝春秋)
おはようございます!旦那さんの振休で、今日はこれから映画に行ってきます。その前に、本紹介。
小袖日記/柴田よしき(文藝春秋)
価格:648円 |
○あらすじ
不倫していた上司から別れを告げられ、やけになっていた主人公。公園で落雷を受け、目が覚めると、『源氏物語』を執筆中の香子様につかえる小袖という女官の体に入り込んでしまっていた!それから、小袖として、日々源氏物語のネタ集めをすることに…。
しばらく小袖の姿に慣れてしまっていたが、ふと『本物の小袖』自身がどこでどうしているのかが気にかかる。そんなとき、同じように現代からこの時代にタイムスリップしてきたという女性に出会い…!
○感想
ありえない!の一言で済んじゃいそうな設定なのに、何の違和感もなく…いや、違和感はあるか。ただ、立ち止まったりすることなく、意外とすっと読めてしまうのが不思議。
改めて、現代人が平安時代なんかに迷い込んだら、生きていくの大変だろうなとか考えてしまいました。そんな風に感じさせられたのは、やっぱり主人公がどんな風に平安時代の人々をとらえたのかが、うまーく描写されてる証拠なんだろうなーそれにしても、恋愛って時代を超えても変わらないよね。源氏物語がバックにあるから、嫉妬による行動だったり好きゆえの行動だったり、色々なわけありが明かされていくんだけど、小袖自身が『事実をどこまで、どのように公表するか』というのを考えているところが響きます。現代で自分が不倫に振り回されたっていうことで、人の心に寄り添う余裕があるのかもしれない。
最後には、小袖と入れ替わった理由も分かるのだけど、それもまた感慨深いです。いつの時代にも、同じように悩む人が存在してるんだよね。当たり前のことかもしれないけれど、あんまり考えたことなくて新鮮でした。