【面白くてちょっと感動する短編小説】神様に一番近い動物 人生を変える7つの物語/水野敬也(文響社)

1年前に出版になった本。ようやく読めました。

神様に一番近い動物 人生を変える7つの物語/水野敬也(文響社)

神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~

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〇あらすじ

三匹の子ぶたなう

「三匹の子ぶた」という本を読んだあと、オオカミは三匹の子ぶたの家へと向かう。「レンガの家で返り討ちにあうんだな…よし、では作戦をたてて向かおう」。作戦を練ったオオカミは、三匹の子ぶたを食べることができるのか?

お金持ちのすすめ

久しぶりに女の子と飲める店に飲みに行った私は、隣に座った女の子を諭吉の顔を折った紙幣で喜ばせようとする。「その諭吉、大事にするからちょうだい!」と言われ、断れなかった私はその1万円札をあげてしまうが…。

宇宙五輪

宇宙五輪と呼ばれる、宇宙の星対星の戦い。その優勝星「白星」は、ビリとなった「黒星」の資源を使い尽くすことができる。そして、ほとんどの場合、生物は食料にされるー。前回大会をブービーでなんとか「黒星」から逃れた地球は、「人間ではダメだ。次は動物たちに参加してもらおう」と計画するが…。

役立たずのスター

女性ボーカリストの最終選考で、見た目は可愛いが歌がまったくうまくない女性に負けた私は部屋で落ち込んでいた。何気なく外を見れば、右から左を行ったり来たりする不思議な流れ星を発見。思わず「私の夢をどうにかしてください!」と願うが…。

スパイダー刑事~カブトムシ殺虫事件~

カブトムシがクヌギの木の下で死んでいるのが発見された。事故か自殺か事件なのか…。カタツムリ警部とコオトギ巡査が捜査にあたっていると、スパイダー刑事が派遣されてきた。事件の場合、容疑者とされる虫はクヌギの木の樹液を独り占めするカブトムシに不満を抱いている虫たち。果たして、事故か自殺か事件なのか?

愛沢

商店街で「蕎麦屋 旭屋」を経営している私は、ある定休日の日曜日に繁盛する店「蕎麦屋 愛沢」を見つけてショックを受ける。自分の店にどの程度影響が出るか考え、視察に行けば低価格でとてもおいしいそばが食べられた。その日以来、客をとられる一方なので対策を練るのがが…。

神様に一番近い動物

子牛のマギーは、「牛は、神様から一番近い動物。そして、明日君は神様のところへ行く」と牧場の仲間たちから諭されて、牧場で最後の夜を迎えていた。そこにやってきたのは、「神様から一番遠い」とされているネズミだった。「おまえは、知りたくないのか?どうして人間に呼ばれたのかを」。自分は神様に呼ばれたのではないのか?人間とは?人間は、何のために牛を呼ぶのか…どうしてもその理由が知りたくなったマギーは、思わず牧場を飛び出してしまう。

 

〇感想

どれも面白くて、なのにちょっぴり感動する短編小説です。私が特に好きなのは、「お金持ちのすすめ」かなぁ。これ読んでると、「夢をかなえるゾウ」を思い出します。ちなみにちょっとざわっとするのは「愛沢」。なんとも言えない気持ちになります。なんだか近い将来な気がして、ちょっと怖い。

印象深さで言えば、なんといっても「神様に一番近い動物」。これは、ラストの見開き3ページで泣いてしまった…。理由が知りたい方は、是非一読を。ラストが気になっても、絶対に最初に読まないでくださいね!「宇宙五輪」も、なかなか考えさせられました。

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