恋愛ハウツー小説『恋愛勉強中。』4
★恋愛勉強中。★4
月曜、朝。
「黒木先輩!おはようございます!」
「おはよう、ちゆき。どうだった、1人DVDパーティーは?」
恥ずかしいけど、決めたんだもん。ちゃんと、見てもらわなくちゃ!
「あのですね、突然なんですが、健と復縁したいなと思って手紙を書いてきました。先輩に添削してもらいたくて」
「は!?え、どういうこと?」
「つまりですね、DVDパーティーで恋愛ものの映画をたくさん見てたら、健のこと思い出したんです。楽しかったことも、悲しかったこともですけど。何よりも幸せだったし、私、なんてヒドいことしたのかな、って思えてきて・・・」
学生時代、いつもそばにいてくれたありがたさを、私は会社に入ってすぐに忘れた。感謝の気持ちなんてどこかへいって、社会人1年目として色んな人から可愛がられることが楽しくて、そして、健との時間をないがしろにした。
「先輩にきちんと話してなかったけど、本当に別れるなんて思わなくてそのあとも何度も私から連絡したんです。『なんで、連絡返してくれないの!?』って。でも、それでもつれなくて、ようやく別れを受け入れたんですけど・・・」
「うーん・・・。ちゆき、気持ちは分かるけど、それは・・・やめた方が良いと思うな」
「え?なんでですか?私、あのときはごめんってきちんと書いて、その上で復縁したいって書いたんですけど・・・」
あの時は、「あれは、本心で言った言葉じゃないのに、なんで分かってくれないの?」「なんで、別れを本気で受け止めちゃうの!?」って健のことを責めたんだ。きっと、それがいけなかったんだと思うんだけど・・・。
「んー、本当に復縁したい気持ちがあるなら、尚更復縁を迫るのは今じゃないと思う。長いこと付き合ってた二人が別れるのって、かなり大きなことだと思うのね。健くんはさ、一時的な感情じゃなくてきちんと考えた上で、別れを決断したはず。だから、そのあとで気持ちを絶った相手から「やり直そう」「戻ろう」って言われてもきっと響かないと思うんだ。ちょっと、きつい言い方だけど」
「・・・じゃあ、無理ってことですか?」
「うん、正直今は無理だと思う。でも、感謝を伝えるのは良いことじゃないかな!復縁の話に触れずに、ありがとう、あのときはしっかりいえなくてごめんね、ってそのことだけを手紙にして送ったら、いつかは健くんの心に響くかも」
「・・・分かりました、書き直します」
まさか、黒木先輩に反対されると思わなかった・・・。だけど、確かに『私が、健と復縁したい』だけで、結局は健の気持ちは何も考えてなかった。あのとき、健が私に求めていたのは「2人の時間」だったり「これまでのような感謝や尊敬」だったりしたんだよね。それなのに、私はそれを与えてあげなかった。あげない上に、「だったら、別れようよ」なんて言い放ったんだ。
「ちゆき?」
「はい」
「手紙、書いたらコピーとっておいたらどうかな。次に彼氏ができて、また健くんのときみたいにありがたさを忘れちゃったら、その手紙読むと良いよ」
「そうします!ありがとうございます!」
デスクに戻って、もう一度手紙を書く。大丈夫、私だって健への想いは一度断ち切ったんだもん。自分のせいだし・・・この気持ちを次の恋愛に向けよう。
★元カレに感謝する★
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