【2016年に映画化した作品の原作本】アズミ・ハルコは行方不明/山内マリコ(幻冬舎)
映画化した本なので読もう!と思って開いてみたら、昔読んだことがあることに気付きました…。どうして読んだ本忘れちゃうかなぁ、こんなインパクト強いタイトルなのに…。かつてのブログを振り返ってみたら、読んだのは3年前のようでした。
アズミ・ハルコは行方不明/山内マリコ幻冬舎()
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〇あらすじ ※ネタバレ注意
木南愛菜は、尊敬していた先輩・今井が野球選手との結婚・妊娠を機に名古屋に引っ越すためにキャバ嬢を引退したあと、自身もキャバ嬢をやめた。その後、地元の成人式に参加した際、同級生で名古屋の大学に通っている富樫ユキオと再会する。
「手に職つけた方が良いよ」との今井のアドバイスに従ってネイリストになろうと決意した愛菜だったが、資格を取ったあと就職先を見つけられずにアパレルショップのフリーターになっていた。やがて、名古屋の大学をやめて地元に戻ってきたユキオと遊んだり体の関係を持ったりとなんとなく一緒に過ごすようになる。そして、ユキオの誕生日プレゼントのDVDを買いに入ったCDショップで同じく中学の同級生で登校拒否になっていた三橋学と再会する。
ユキオは、愛菜との関係にうんざりし始めていたため、学との再会後二人で行動を共にするようになる。DVD『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』に感化された二人は、グラフィックデザインを町中に描きだすアーティスト集団「キルロイ」と称し日々活動していた。その後、学が「安曇春子を探しています」ポスターを見つけ、アズミハルコをモデルにグラッフィクデザインするようになる。
しばらく放置された愛菜は、待ち伏せして二人に合流し、無理やりキルロイのメンバーになる。が、あまりにも町中に落書きをしたため警察から警告され、びびったユキオはキルロイの活動をやめてしまう。ユキオは新しい遊びに、女子高生との合コンをセッティングし学を誘い出す。またも仲間外れにされ、学を尾行していた愛菜は目の前で学ぶが女子高生集団にリンチされている姿を目撃する。少女たちは、度々オトコを呼び出しては暴行する少女ギャング団だった。
一方、安曇春子は同級生ひとみの結婚式でかつての友達・今井と再会する。今井と春子とひとみは、かつて仲良し3人組だった。そして、ドラッグストアで再会した同級生・曽我雄二が少女ギャング団に襲われているところを目撃する。それから、会ったり体の関係を持ったりしていた。会社では、「結婚できない人」として密かにバカにされていた先輩・吉澤が結婚して退職することが決まり、ますます居心地が悪くなっていた。同時に曽我と連絡がとれなくなり、どうしたら良いのかどうしたいのかわからなくなった春子はたまたま見かけた少女ギャング団に「私も連れてって」と頼むが、「女子高生じゃないと無理」と拒否される。そして、コンビニで会った同級生からひとみと曽我が不倫していることを聞かされるのだった…。
〇感想
章によって話し手が変わる物語です。映画だとどんな感じなんだろう?(映画版では昨年、安曇春子役を蒼井優さん、木南愛菜役を高畑充希ちゃんが演じてます)
田舎に暮らす若者の閉そく感みたいなものがメインテーマっぽいんだけど、その中でも『ダメ男に振り回される女たち』が印象的です。そして、自身の年齢や周囲から言われるセクハラ的な発言で傷つく姿も。
最後まで少女ギャング団の発生理由なんかはわからず若干もやっとするかもしれませんが、地方の若者の世界観は面白いです。