【近隣国の闇が見える】映画『哀しき獣』レビュー

シルバーウィークも終わり、2016年もまもなく10月。今日は秋の夜長にこんな韓国映画を。

哀しき獣

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〇あらすじ

中国でタクシー運転手をしている主人公のグナムには借金がある。妻は韓国に出稼ぎに行ったまま連絡がとれなくなっており、娘は自分の母親に預け、自暴自棄になりかけていた。

ある日、ミョンという男から「韓国へ行って、ある人物を殺してほしい。そうすれば、金をやる。嫁にも会えるし、ちょうど良いだろう」とけしかけられる。グナムは悩んだが、結局承諾し、韓国へと密航していった。

殺してほしいと言われていた男はキム・スンヒョン。見つけ出し、ある晩に殺害計画を立てていたグナムだったが、まさにその夜グナムが殺害を決行する直前にキム・スンヒョンは何者かに殺されてしまう。キム・スンヒョンが確実に死んでいるのかどうかを確認しに行ったグナムは、殺人犯と勘違いされてしまい、警察から追われることに…。

 

〇感想 ※ネタバレあり

近隣国の闇が見える…って書いたのは、出稼ぎの部分。出稼ぎに行かせなければ生活は成り立たないけど、出稼ぎに行かせるためにもお金がかかって借金しているっていうのは闇の部分かな、と。そもそもこの設定がなければ、グナムが殺人犯しに密航することもないので、邦画にはない物語だなと思いました。もちろん、出稼ぎなんて中国だけの話じゃないけども。

さて、殺人犯と疑われたグナムですが、見事に警察の追っ手をまくことに成功します。ただ、それ以外の部分が本当に悲しい。奥さんに会おうとするも、新しい男がいると分かって怒り狂います。さらには、その男によって奥さんが殺されたことを知って、さらに発狂。それでも仕方なく中国に帰ろうとすると、なんと帰国のために船を用意しているというのは嘘で、グナムは行き場を失うわけです。密航した上に殺人犯として手配されているために正当に中国へ帰るルートは途絶えます。

果たして、グナムはどうなるのか…。って、かなりネタバレしちゃってますが、気になる方は是非。恋愛模様は描かれてません。カップルでも夫婦でも見て大丈夫ですが、「面白かったねー!」というよりは、「辛いね…」「切ないね…」と感想を言い合うことになるかと。語り合う作品にはもってこいです。

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